月に寄りそう乙女の作法 感想

 

とにかくルナ様が好きって話。

評判は聞いていたけど想像以上のルナ様ゲーだった。

ルナ様はどんな時でも凛々しく、気高く、毅然とした態度でどんな時もふてぶてしいほどに堂々としていて、そんなルナ様に作中で心が折れそうな時は何度も救われた。

いわゆるお嬢様キャラ的な傲慢さも持ち合わせているのに全く苛立ちを覚えさせないし、寧ろその傲慢さがより一層彼女を美しくみせていると感じた。常に傲慢さの中に貴族としての気品が、気高さの中に愛らしさが見え隠れしていて、主人としてはこれ以上なく誇れる主人でもあると同時に、愛らしく可憐な少女らしい一面もあって、この二つをどっちも壊さず最後まで保ち続けたのは本当にすごい。

なによりどのルートでも、心の底からの敬愛を示して尽くした朝日に対してルナ様は本当に優しい。お優しいルナ様の形容は伊達じゃない。この優しさは本当に救われた、朝日以上にこっちが救われた。

エロゲヒロインにおける主従関係の主、お嬢様キャラしてひとつの到達点なんじゃないかと思う。完全にキャラメイクの大勝利。圧倒的な人気を誇っているのもうなずける。誰もが待ち望んでいた主人といっても過言じゃない…と思う。少なくとも私はずっとずっとこんな主従が見たかったんだ…！と感動した。

ただルナ様があまりにも魅力的すぎてルート毎に格差がすごすぎたのはいろいろ通り越して大丈夫か…？となった。

湊ルートは論外として（湊のことは好きだけどあれは擁護のしようがない）。瑞穂は、単体で見るならそこそこよくあるキャラゲーのシナリオという感じで別段めちゃくちゃ出来が悪いというわけではないんだけど（朝日のキャラに疑問は抱く）、何分ルナ様とユーシェルートの劣化版となってしまっているのでかなり見劣りする。

ユーシェルートはルナ様ルートと対を成していて、努力を積み重ねる秀才が同じように努力を積み重ねている天才に挑むという王道をしっかりと描いていてとても良かったし、なによりユーシェがとても可愛い。付き人のサーシャ含めてルナ朝日の次に魅力的な主従だった。サーシャはルナ様ルートでも手を差し伸べてくれていて、彼女の存在にも何度も救われた。余談だけどウィッグ外したサーシャのビジュアル好みドンピシャ。

上記のとおりルートによっての出来のバラつきというか格差は気になったけど、正直それを加味してもルナ様ルートだけでおつりがくるほどにルナ様ルートが最高だった。減点方式だと結構引けちゃうんだけど、加点方式だと無限に点数を積めるやつなので個人的にはおーるおっけー。いやほんと、正直ルナ様ルートしかなくても同じ値段出せる。

完全に余談だけど、アフターで選択肢によって恋人主従を選べるのが、えろげによくある純愛陵辱の分岐というよりもBLゲの攻め受けの分岐ぽかったのがかなり面白かった。朝ルナ、萌……